1997年、友達の工場に遊びに行った時、車両置き場になっている雑木林でこのクルマは眠っていました。タイヤのエアは抜け、ボディはサビサビ、カウルパネル、エンジンルームは枯葉、ドングリの倉庫・・。
名前だけは知っていました「ホンダライフ」って確か360cc時代の軽自動車。最初は何気なく見ていました。工場のオーナー曰く「前オーナーが処分したがっているこのライフいらないか、直して乗れよ?」
その頃趣味でカーマガジンとオールドタイマーを読み漁っていたので旧車のレストアは知っていました。しかし自分の手で何処まで直せるか?ボディ鈑金、エンジンOH、内装全部だぞ?
途中で投げ出すんじゃないか?っと社長に相談したら「やってみろ」の一言。決めようかどうしようか思いながら実車をまた見に行きました。

最初に見たときはじっくり見ませんでしたので、今度はドアを開けてもらいました。木目パネルでタコメーターが付いている。丸い4連メーター、黒のビニールレザーシート、
純正ウッド調ハンドル、どこを見ても国産旧車のイメージ通り。そしてボンネットを開けるとCVキャブが2つ鈍く光っていました。このツインキャブが迷っていた心を動かしました。
「よし、持っていこう!何とか直せるだろう」後でこのエンジンで散々悩む事も知らずに。ある雨の夜、ローダーに載って我が家にライフがやって来ました。ここからレストア地獄が始まりました。

まず、ボディをスチーム洗車してから確認します。現状把握です。肝心なエンジンは掛かりましたが、ヘッドが変!ラジエターに水を入れると何故かヘッドカバーのブローバイホースから出てくる!!
ボディもあちこち錆穴だらけ、パテもいっぱい入ってそう。内装、シート、ダッシュパネルなどは切れ破れが無く綺麗でした。欠品も少なそう(当時はあまりわかっていない)。以下作業写真です。

ヘッドなんかはカムシャフトの下のメクラブタが悪く水とオイルが混ざってました。これでヘッドはOKと思った矢先、洗浄して観察するといやな亀裂が・・。結局LLCが入ってなかったための
氷によるヘッド割れでした。このヘッド使用は断念、中古品を探しました。またシリンダーは400ccになっていて当時は(今だとネットで情報ありますが)、何のピストンなのかリングは?
ヘッドガスケットは?・・・・とわからないので、これも標準360ccのシリンダーを探しました。タイベル、メタル、リングなどの部品は当時はまだ出ました(高かったけどね)。

キャブもだめ、オルタもだめ、ラックピニオンもOH,ブレーキ、クラッチ全部だめ・・。そしてボディ鈑金・・・昼休み、仕事の終わったあとの作業だったので車検取るまで5年弱掛かってしまった。


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